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False Islandに参加中の優歌の日記など。 PLの雑記や個人的補足などを交えたブログ。
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本編日記です。

まぁそのままですが。


「はぁ…」

二度あることは三度ある。という言葉が頭によぎった。

「言霊、よねぇ…気をつけなきゃほんとに…」
『まぁ、そんなことより』
「そうね、サッサと片づけちゃいましょ!」

優歌は魂石を取り出し、即効力をため始める。
大分、能力が戻ってきた、というのも案外はずれではないのかも、知れない。


「さぁ、いくよっ!」

思いのほか、ダメージが出ているように見えた。
続けて優歌は久しぶりの言魂を紡ぎだした

“光、形なき壁、見えぬ壁となりて、わが身を、一度の鏡とせよ!”

直後になにやら言いながら突進してきたラクダを跳ね返し、ダメージを与える

「…よっし!」
『久しぶりに聞きましたね、その言魂』
「うん、まぁ実験?どこまで能力が戻ってるのかなーと」
『なるほど』

優歌は、続けて、光の玉を三つ創り出した

「さぁて、さっさと終わらせるわよ…」

光の玉を、らくだに向けて放つ。

「よし、全弾命中!」

ラクダのセリフに関しては、全スルーを決め込んだらしい。
続けて、杖の封印をとき、殴りかかる。

しばらくの間、殴り合いぶつかり合いの、あえて語るまでのない戦いが続き

「うーもう、しつこい!いい加減にしなさいよ!」
『優歌!』
「さぁ、お眠りなさい?満月送景」

優歌の、決め技が炸裂した。



ラクダが倒れた後に残ったのは、何やら肉。

「…肉?これ食べれるのかしら」
『おそらくは。』
「ふーん…」

砂漠を進み切り、角を曲がった先には、またしても、魔法陣があった。

「…白い、砂浜」
『確かに砂浜ですね』
「うん。しかしこの名前も不思議よね。最初のが始まりの右足と左足、でしょ?」
『で、次のが風の流れ、透明な姿、で、白い砂浜』
「いろいろと面白い名前が多そうよね」

招かれたわけではなく、迷い込んだ身としては、未だ、いまいちこの状況が理解できていない部分もある。
だが、帰るには奪われた力を取り戻す必要がある。

「…さて、そろそろ一度また、外に出ようか」
『そうしますか』

+++++++++++++++++++


※注:(ここからはカッコ内の()を心話とします。
一応人前では本来の世界でやると変な人丸出しなので、基本的に心話で話しています。)


遺跡外に出ると、ある部分で見覚えのある花が散っていた。

「…え…桜?」
『おや、すばらしいですね。』
「うん、きれいだね。」

その場所に向かって小走りに走ると、その樹は、立っていた。

「…へぇ…」
『この遺跡は本当に不思議ですね』
「うん。きっと、私たちの生きる場所とは違う時代だろうけどきっと、桜を愛でている人たちがいるんだね」
『それか、俗にいう、IFの世界。パラレルワールドというもの、という可能性もあります』
「実際に何度か行ったわねぇ…」
『…懐かしい話ですね。』

ちょっと苦笑気味な優歌とポー。どうやらこの世界と同じく結構波乱万丈であったようだ。
桜の周りでは、いろいろな露店が設けられているので、まずそれを見て回り始める

そんななか、ポーがあるものに気付いた。

『優歌、あれを』
「(なぁに?ポー…って)え!?桜餅?!」

少年が並べている、鍋と看板。
そこには見覚えのある字で、桜餅と書かれている。
思わず心話ではなく、素で叫んでしまった優歌は、思いっきり歩く人の視線を集めてしまった。
さかさかさかっ!と足早に店の前に立つと、看板には『試食、ご自由にどうぞ』の文字。
4等分された懐かしいものが、その隣に置いてあった。
ひとかけらとって口に含む。

「…いただきます」

懐かしい、味。どの世界でも、変わらないのだろうか。この味は。
桜を愛でるという気持ちはそういえば、どのIFの世界でも、変わらなかった。

「…おいしい。あの、ふた…いえ、3つ、いただけますか?」

二人(正確には一人と一匹だが)しかいないのに、と思われてしまうかもしれない。
でも…どうせなら、届けたかった。

―泰遠、お兄様。

私を育ててくれた、たった一人の兄上。血もつながらない私を育ててくれた彼。
崇徳お兄様もそうだけど、あの頃の私にとっては、どちらかといえば、遊んでくれる人、という人だったし。

『まぁ、今のあなたならできないことはないと思いますよ』
「(そうね、そうだといいな)
…じゃあ、二つはそのままで、一つだけ包装してもらえますか?」
『って、私も食べるんですか』
「(いらないならいいわよいらないなら)」

ポーに対してはちょっと悪態をつくように言ってしまっているが、まぁ愛嬌であろう。
愛情の裏返しなのだ、たぶん。彼女にとっては。

実際には離れてしまった人たち、また会えるように、ただがむしゃらな自分。
久しぶりにみた、故郷の味は、なんだか、懐かしさとともに、落着きと嬉しさが、湧いてきていた。

「…届けられるように頑張ろう」

どうやら、自分の口からその言葉が出たことには、気付いていない。
そんなとき、フクロウが、そのまま店主のもとへ飛び、そばで羽ばたく。

『私の声が、あなたに届くかはわかりませんが、あなたにお礼を。
優歌は、あなたの作った、桜餅のおかげで、少し意識が変わったようです。
…正直私でも扱えきれない部分も多いので、助かりました。ありがとうございます。』

若干苦笑気味の、見た目の若々しさに反したしわがれた声。
心話ではあるものの、届けようとする努力があれば、声でも、届くのかもしれない。

+++++++++++++++

「そういえば、彼になんて言ったの?あなた私に対しても心話きって、彼に心話向けたでしょう」
『…えぇ、まあいいじゃないですか。』
「もー…まぁ、いいけどね。失礼なことするとか微塵も思ってないし。」
『あたりまえです。うん、おいしいですね』
「うん。上手ー。おいしい」

二人で、桜の下で味わいながら食べる。
ううむ、風流というものだね。
フクロウが餅食うのか、なんて突っ込みは無粋だ。こういうときくらい見逃してやれ。<誰だお前

二人揃ってしっかりと味わい、ごちそうさまでした、といったところで
優歌は、包装してもらったもうひとつを、膝の上に置いた。

「さて…と…」

“願う遠き世。近き世。ここは、もしかしたらの世界。望むは、もといた世界。もといた場所。
届け、わが願い、わが力。届けたき物は、小さな心。小さなもの。温かみのある料理。いけ、わが望む場所へ!”


紡がれていく言魂とともに、ゆっくりと浮かび、姿が薄れていく。


『……届きましたかね』
「…届いてるといいわね。たぶん、きっと届いてるわよ。」
『そうだといいですね。』


お兄様、この世界もなかなかに面白いです。あなたが言われたとおり、楽しんでみようと思います。
もっと情報を仕入れないといけません。
取り合えずまずは、この後会う、彼に、ですかね。

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