63日目日記

仮初の空の下。
遺跡内を探索する日々。


―Peace of Mind


「今日はこの辺かな。」
「そうですね、今日も一日が終わりですね。」

優歌が、荷物の中から、シートを2枚取り出して、下に引く。
他人が通っていたあと、野営のあとを見つけられたときはそこを。
見つけられなかった場合は、自分たちで場所を確保する。

今日は後者である。

「さて、ちょっとお願いね。」

ソウマが、いつものように、ウンディーネとサラマンダーを呼び出す。
野営中は二匹が火や水の管理をしてくれている。

「今日はちょっと、周りに注意だけお願いね。」
＜了承した。＞
『はい、かしこまりました』


軽い食事をとった後は、今後の相談であったり、取り留めのない話であったり。
そんな時間をとることも、探索を続けていく上では重要なのだと。

「今回の探索がおわったあとは、しばらく出たり入ったりだね」
「まずは、イガラシ…ですね。お互い頑張りましょう」
「出回ってる情報だと、まずソロで負けることはないと思うんだけど」
「ですね。慢心はいけませんが」
「そのとおり。お互い頑張ろう」

体を温めつつ、届いている伝言などをチェックしながら
火を囲んで、人が居る。

「 …一人じゃないっていうことは、やっぱり、気楽だな 」
＜…どうかしたか＞
「 …聞こえちゃった？ 」
＜うむ。＞
「 ちょっと、ね。気にしないで 」
＜…わかった＞
「さて、そろそろ休みますか？ソウマさん」
「そうだね、そろそろ休むとしようか。明日からは忙しくなるしね」

ユーナがいることもあり、軽い羽織るもののみで、睡眠の環境が取れるのだ。
二人での探索となってからは、優歌もだいぶ荷物を減らした。

「はい。ではおやすみなさい。」
（おやすみなさーい。ポーちゃんもおやすみー）
『おやすみなさい。』
「うん、おやすみ。あとよろしくね」
＜了承した。＞

心温まる瞬間。

誰かが居る瞬間。


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マリアさんの文章イベント
Peace of Mindに参加しました。
ソウマ君が使うさらまんだーの口調がなにげ大好きだったりします

人が居る瞬間。誰かが、居る瞬間。