False Islandに参加中の優歌の日記など。
PLの雑記や個人的補足などを交えたブログ。
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【修正版】
約束。
約束。
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Eno.212 御月蒼真 のサブキャラ
ユーナちゃんとお菓子を作るお話です。
コラボできているといいなぁ。
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―遺跡外
それぞれに一度荷物を置きに別れ、取引所―通称木漏れ日に集合した。
今回は少々大掛かりな取引となっている。
私は、自分が使うための魔石の作製と、付加を依頼しに。
あと運よく見つけられた闇霊装飾の作製を依頼した。
結局取引の半分以上を、ハルカさんとキクさんにお任せしてしまって。
リーダーに頼りきりなのもよくないが、正直取引に関してはまだまだ苦手な部分も多い。
あとは、自分の魔石を作成する枠が埋まれば、というところだろうか。
一通り見回っていると、横からとても聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「あ、ゆうかちゃーん!ポーちゃん!」
『おや、お久しぶりですね』
「ユーナちゃん!ゴメンね待たせちゃって」
そう。今回の遺跡外で、一緒にケーキを作ろう、という話を前々からしていたのだ。
行き当たりばったりな約束だったけれど、なんとかなりそうでよかった。
「…優歌?」
「っと、空翔。紹介するね。ユーナちゃん。この島で出来たお友達。
ユーナちゃん。うちの弟。今回は一緒にこの島に来てるんだ」
「空翔くん?ユーナです、よろしくね~!」
「…あ、えっと、藤本空翔、です。よろしく…。」
「と、いうわけでポー。」
『はい?』
「空翔と一緒に残りの買出し、お願いしていい?」
『はい。了解しました。お土産期待していますね』
「うん。じゃ、そういうことだから空翔、またあとでねー」
軽く呆然と突っ立ったままの空翔と、ポーを尻目に歩き出す私。
ユーナちゃんもあわてて付いてくる。
今気づいたけどちゃんと実体化している。
…抜かりないなぁ、蒼真さん。
「別に一緒でもいいのにー。」
「きにしないきにしない。さて、案内よろしくねー」
「うん、りょうかい!」
ユーナちゃんの案内で、森の中を進み、樹の前にたどり着いた。
「え、ここから?」
「うん、行くよー」
と、同時にユーナちゃんが手を引っ張ったまま、樹の中にめり込み
次の瞬間に見えたのは木の廊下だった。
「えっ…?」
「七海ちゃーん、きたよー?」
「あ、いらっしゃーい…そちらの方がおともだ」
「…ええええ!?」
「………ユーナちゃん、ちゃんと説明した?」
「え?……えへっ」
「いやいやいやいや」
とりあえず、ここが、ユーナちゃんの言う『七海ちゃんち』だというのはわかった。
一度深呼吸して。
「…………えと、七海さん、ですか?」
「あ、はい。結城七海です。」
「藤本優歌といいます。いきなりお邪魔してしまいまして…」
「あ、いいのいいの。来るっていうのはユーナちゃんから聞いてたしね。
えーっと、優歌ちゃん、でいいのかな。私はちゃん付けでも呼び捨てでも!」
「…じゃあ七海ちゃんで。」
「うん。で、二人でお菓子作るんだっけ?必要そうな道具は準備しておいたけど」
「あ、ありがとうございます。とりあえず材料は持ってきたけど…。」
と、いいつつ持っていた袋から小麦粉などを取り出す。
「っていうかあそこでその辺って手に入るんだ…」
「あれ?島にきたことあるんですか…?」
「あ、うん。何度か取引の手伝いのお願いをね。ここから行けるし」
指差された先には、さっきの森。
こちらからはみえていても、あちらからは見えないように処理されているらしい。
さすがというか、なんというか。
「じゃあ、台所はこっちだよん」
「ありがとうございますー。」
案内された先で材料を広げる。
準備してあったのは、ミキサーなどなど。
「あ、電動ミキサーだー…楽だなぁ。」
「あぁやっぱないんだ」
「ないこともなさそうだけど、あそこでは基本見かけないですね」
「やっぱそうなんだー…。」
「あっちでケーキ作るときはハンドミキサーですよ」
「え゛っ」
「やれないことはないですよ。ちょっと疲れますけどね」
「…さすがにやらないなぁ…。」
「さて、ユーナちゃん作るよー」
「はーい」
準備してあったふるいに小麦粉とココアパウダーを入れる。
ベーキングパウダーは今回ちょっと準備できなかった。
「ん、それはやっとこっか…って、作るの何ケーキ?」
「チョコマフィンです。ベーキングパウダーとか、あります?」
「ん。あるよー。どれくらい入れる?」
「小さじ5で。」
「了解。やっとくねー」
慣れた手つきでベーキングパウダーを入れて、振るい始める。
ん、お願いしちゃいましょう。
「お願いします。じゃ、まずバターを溶かします」
「はーい。」
「その間に卵を卵白と黄身に分けます。こんな感じ」
ぱか、っとわりつつ卵黄と卵白を分ける。
「黄身はどこに置くの?」
「ん、こっちのボウルに、というわけで残りの卵お願い」
「はーいっ」
残りの卵を任せつつ、オーブンを暖めて、マフィン型を準備する。
「ん、ふるい完了。」
「ありがとうございます。」
「あー…。なるほど」
「卵これでいいのー?」
「うん、OK。じゃ、砂糖半分と卵白で、メレンゲをまず作ります。
角が立つまでひたすら泡立てね」
「うんうん。」
「次にさっきの卵黄に、残りの砂糖を入れて…と。もったりする感じまで―」
ガチャガチャ、と音がしつつも、なんとか、焼くところまでこじつける。
オーブンの中に、ギリギリ天板に乗せきって、スイッチを押す。
「結構な量だよねーこれ。」
「まぁ、それなりの数…というか、大掛かりな量しか仕入れられないので…」
「あぁー…。」
「まぁユーナちゃんと蒼真さんの分と、後七海さんの分と、私が一緒に探索してる人たちにもってかえる分で…。
それなりの量にはなりますしね」
「それを一気に作る、っていうのもまた」
「まぁ、それもいいかな、と。作った感がありますし」
「それは確かに。ユーナちゃん、じーっとながめててもまだまだかかるよー?」
「あ、うん…」
「それにまだ、することあるんだからね」
「なに?」
「洗い物。」
「…はーい」
たくさんのボウルに、ふるいにミキサーなどなど。
ちょくちょくつけておいたけれど、洗うのはちょっと大変。
3人がかりで洗い終わって、少しお茶をしているところで、いい音が聞こえた。
―チーン
「あっ」
「出来たかな」
「お、なかなか。」
「うん、こんな感じかな」
見たことのある感じのチョコマフィンが、何とか出来上がった。
大盤振る舞いで作ったので、正直少し不安だったのだ。
そこで、なにやら七海ちゃんがごそごそと引き出しをあさっている。
「そういえば、前につかったデコレーション材とか少し残ってるかも。…っと、あったあった。使う?」
差し出したのは、白いチョコペン。
「ユーナちゃん使いなよ。蒼真さんへの分」
「わーい。」
七海ちゃんから渡されたチョコペンでハートを書いているユーナちゃんを見て
ちょっと複雑な気持ちを覚えながらも、気にしないことにして
「こんな感じ!」
「ん。いい感じだね。」
「ゆうかちゃんはいいの?」
「うん、私はいいの。」
誰に渡すってわけでも、ないんだしね。
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